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 今月のコラム

今月のコラム
真珠、一粒の宇宙

小松 博

第148回 | 2017.06.26

南太平洋の真珠の島々

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラ南太平洋の真珠の島々」は、マルチ系黒蝶真珠のネックレスに対するテリ最強の特別呼称です。

特別呼称としては異例の言葉の長い羅列にしたのは、これまでのタヒチ出張の体験によるものです。パペーテ空港から目的の島までの、上空から見る大小さまざまな島々は個性に富んでいます。緑がひしめき合う島、乾いた褐色の島、群青の外海と若草色の内海から成るリング状の島…。

しかし一歩それらの島々に降り立った時、そこに見られるのはゆるやかな時間の流れと、自然と人間との限りなき共存です。

あわただしい日常生活のただ中で、このネックレス着用時のひとときを、自然の中に身をゆだねるような気持になってもらいたいとの願いを込めてのネーミングでもあるのです。

第147回 | 2017.06.12

ラグーン

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロララグーン」は、グリーン系黒蝶真珠の最高品質に対する特別呼称です。

上述「グリーン系黒蝶真珠」という表現から、「緑なす黒髪=つやのある美しい黒髪」をイメージする方も多いと思いますが、この真珠の実体は大いに異なります。

まずこの真珠のタンパク質には緑と赤のふたつの色素が含まれています。またテリの素晴らしいこの真珠の表面付近には、赤や緑の光彩があふれています。

緑の色素がより多く含まれ、光がより多く緑の光彩を作った場合、その真珠の外観は、「緑」と「緑」が合わさって、珠の芯から湧き出るような、深みのある、にごりのない緑色の真珠として私たちの目に映ります。それは刻々と変わるタヒチのサンゴ礁の色が、ある瞬間、太陽の陽射しと海の深さの相関でエメラルドグリーンに輝くのと同じなのです。

第146回 | 2017.06.05

茶金

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラ茶金」は、ゴールド系白蝶真珠の最高品質に対する特別呼称です。

「茶金」という言葉を辞書で調べると「茶巾」しかありません。しかし「金茶」はあります。「あざやかな黄赤」を指します。「黒い子猫の金茶の目」(北原白秋『思ひ出』より)。真珠業界特有の、欧米人が発音しやすいための金茶をひっくり返した造語です。以前はアコヤ真珠を含めて黄色系の真珠は低品質品として扱われていました。しかしその当時でさえ「茶金」は一種の例外品として、世界中のバイヤーが、年一回開かれるミャンマーのオークションに集まり高値で競い合ったそうです。まさに“幻の真珠”なのです。

光が作る干渉色も、色相、明度、彩度の三次元で表わします。「茶金」はこの彩度が抜群に高いということですから、鮮やかな干渉色、すなわち抜群のテリだったということです。

 

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