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 今月のコラム

今月のコラム
真珠、一粒の宇宙

小松 博

第197回 | 2021.01.05

本物は緑を帯びる

真珠のグレーディング化に取り組んでいます。極めて難問です。難問の奥の奥に、真珠が、生物が作る唯一の宝石であるという特殊性があるからだとも思います。

品質の程度を決めるには、要素別に分解しなければなりません。色、てり、まき、きず等々です。そしてそれぞれの要素を仕分けします。きずの場合ですと、無きず、小きず、中きず、大きずと分け、点数化します。最終的には要素全体で100点満点として、この真珠の品質は何点、あるいは価格は何円と数値化するわけです。

ところでこの取り組みの最中、全く別次元の考えに陥る(おちいる)ことが時々ありました。価値ある宝飾品とは何かという考えです。個人の想いの象徴と言っても良いでしょう。私にとってそれは黒蝶真珠です。今から40年前、本物と着色の鑑別法を見い出した時のことです。

着色は某フィルムでは赤味を帯びてくるのに対し、本物は緑色を帯びた黒色に写るのです。

JOW-Japan新報2017年3月号

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