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 今月のコラム

今月のコラム
真珠、一粒の宇宙

小松 博

第145回 | 2017.05.29

ビーナス

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラビーナス」は、シルバー系白蝶真珠の最高品質に対する特別呼称です。

白蝶貝の貝殻は昔から、その真珠層の美しさの故にボタンの材料として珍重されてきました。いかなる服地にも映えるボタンのその輝きは、採集地であるオーストラリアのアラフラ海の神秘性を強調してきたのです。

オーロラビーナス」の特質はどこにあるのでしょうか。勿論アコヤ真珠と比較しての話です。先ずサイズです。直径13ミリが平均値です。アコヤ真珠の4倍の表面積が、「面」の滑らかさとして私たちの視野に飛び込んでくるのです。次にテリにも独自性があります。「鋭い輝き」というより「いぶし銀のような輝き」です。これは未だ仮説の段階ですが、多重層反射と言うダイヤモンドダスト(零下10~20℃の気温で、空気中の水蒸気が氷結、太陽の光を受けてキラキラ輝きながら空から降ってくる現象)に似た現象が光の干渉と同居して起きるのです。

第144回 | 2017.05.22

彩雲珠(さいうんだま)

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラ彩雲珠」は、ブルー系アコヤ真珠の6ミリ未満のサイズに対する最高品質の特別呼称です。

この呼称も、「オーロラ真多麻」は6ミリ以上という現行規定外のために作られました。アコヤ真珠の中でブルー系の出現率は僅少(8%位)ですから、3、4ミリという僅少なサイズの中の最高品質クラスとなると「極く極くの」僅少となります。

名称を考えていた時のことです。沖縄の石垣島へ出張した日、何気なく空を見上げていると彩雲に出合ったのです。真っ青な空に浮かんでいる雲が七色に綾取られているのです。古希を迎えた私にとって初めての経験でした。

「晴れて薄い雲がかかったとき、雲を構成する氷の粒に太陽光があたり、虹のように色づいて見えることがある。年に何度か、全国で見られるという」(朝日新聞2010年7月20日「青鉛筆」より)

第143回 | 2017.05.15

彩凛珠(さいりんだま)

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラ彩凛珠」は、ホワイト系アコヤ真珠の6ミリ未満のサイズに対する最高品質の特別呼称です。

この呼称を決めた発端から話します。先ず2000年に発表した当社のグレーディング・システムでは、「オーロラ花珠」は6ミリ以上のアコヤ真珠を対象にしました。それ未満は淡水真珠に席巻されてしまったと思ったからです。ところが僅少ですが3、4ミリのすばらしいアコヤ真珠のネックレスがあったのです。

ネーミングを考える中で先ず浮かんだのは「細厘珠」です。かつての分厘(ぶりん)の時代、直径3ミリ未満の珠をこう呼んでいたのです。100粒以上が連なるそのネックレスは見事です。テリが放つ輝きが、首筋に沿って一本の光のラインを描いています。凛と輝く、光が演じる色彩の帯とも形容できるのです。

第142回 | 2017.05.09

花珠

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラ花珠」は、ホワイト系アコヤ真珠の最高品質に対する特別呼称です。

ハナ珠という言葉は昔からありました。ピンクの輝き/無キズ/“八方転がり”なるラウンド系/など、養殖真珠の一種の理想を言う場合もありました。ハナ(端)・ドウ(胴)・スソ(裾)・ドクズ(屑)と浜揚げ珠を4分類した時のトップを端珠(はなたま)とも呼んでいたのです。

花珠について私たちは、1996年(平成8年)幾つかの客観的な基準を満たすことを提唱しました。その後現在に至るまで、その客観性のより精緻さを目指して研究中です。

ここでひとつの宣言を致します。私たちの「オーロラ花珠」の花は日本の桜を指すことにします。真珠のグローバル化の今日、日本のアコヤ真珠の美しさを、具体的にはテリの美しさを、桜の花をイメージ化して世界の女性たちに訴えることが出来ると思うからです。

第141回 | 2017.05.01

アコヤクイーン

私どもが発行している鑑別鑑定書の中で、「オーロラアコヤクイーン」は、イエロー系アコヤ真珠の最高品質に対する特別呼称です。

アコヤ貝の真珠層には黄色色素が含まれています。かつて、黄色味があるという理由だけで不当に安価で売られていた時代がありました。某会社の社長さんが「テリが抜群で、まきがあり、小キズすらないのに、なんでこんなに安いのか」と嘆いたことが業界の伝説として語り継がれています。それ程この色の真珠は、品質的に素晴らしいものが多いのです。その理由は貝の「健康」です。

養殖期間中「元気」であり続ければ、まきは厚く、キズは出来にくく、テリは眩しく輝くのです。なぜ「クイーン」という名前を付けたのか、それはこの真珠を身につけた時、日本人の肌にこの色が調和し、テリが放つローズ色が、肌の透明感を引き立てるからです。日本人にとってはアコヤ真珠の女王的存在だからです。

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