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 今月のコラム

今月のコラム
真珠、一粒の宇宙

小松 博

第186回 | 2020.06.19

球こそ万能の証

真珠のテリのメカニズム解明については、これまで何回か書いてきました。最近になって、解明に至るポイント中のポイントのひとつに「真珠の形態が球体である」ことに気が付きました。球体とは何かという至難の問題を無意識下で解決していたのです。かつて織田信長は宣教師が語る最新の学説に耳を傾け、地球が球体であることを一言「分かった」とつぶやいたそうですが、その種の感覚的飛躍が働いたのかもしれません。

アコヤ真珠の珠の一端を蛍光灯に接触させて、暗いところで観察してみると、接触面の半球には反射の干渉色が色別に現れており、その対極の半球には別の色模様が整然と現れており、それらの色模様が見事な補色関係をおりなしているのです。すなわち透過と反射の干渉色の出現なのです。この劇中劇は真珠が球体であるからこそ演出し得たのです。“球面から平面や曲面を導き、長さや表面積を珠としてあらわしてみる”球こそ万能の証です。

JOW-Japan新報 2016年4月号

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