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 今月のコラム

今月のコラム
真珠、一粒の宇宙

小松 博

第200回 | 2021.01.21

400の字数制限には苦労しました

この連載の始まりは1999年(平成11年)11月です。「オーロラ」なる題目でスタートしました。あれから18年余にわたった真珠関連の“おしゃべり”も今日が最後です。

7年後の2006年その「オーロラ」なる奇妙な現象は、真珠で起きる光の干渉現象の一形態であることを証明し、学位論文として受理されました。そしてそれを契機に、真珠が、人類最初の宝石になりえた最大の理由がこの「テリ」にあること、筆者の残る人生のすべてをこの考えの普及と発展にあることを決意いたしました。タイトルの「真珠」、一粒の宇宙は正解であった所以です。

この連載で学んだことがもう一つあります。それは400字という字数制限です。これには苦労しました。泣かされました。しかし、テーマを徹底して煮詰めることの大切さ、頭の中にある数十倍の無駄との闘いが書くということであることをも教わりました。

JOW-Japan新報2017年6月号

第197回 | 2021.01.05

本物は緑を帯びる

真珠のグレーディング化に取り組んでいます。極めて難問です。難問の奥の奥に、真珠が、生物が作る唯一の宝石であるという特殊性があるからだとも思います。

品質の程度を決めるには、要素別に分解しなければなりません。色、てり、まき、きず等々です。そしてそれぞれの要素を仕分けします。きずの場合ですと、無きず、小きず、中きず、大きずと分け、点数化します。最終的には要素全体で100点満点として、この真珠の品質は何点、あるいは価格は何円と数値化するわけです。

ところでこの取り組みの最中、全く別次元の考えに陥る(おちいる)ことが時々ありました。価値ある宝飾品とは何かという考えです。個人の想いの象徴と言っても良いでしょう。私にとってそれは黒蝶真珠です。今から40年前、本物と着色の鑑別法を見い出した時のことです。

着色は某フィルムでは赤味を帯びてくるのに対し、本物は緑色を帯びた黒色に写るのです。

JOW-Japan新報2017年3月号

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